木材等の主成分であるセルロースはその分子構造的な特徴から結晶性が高く化学的にも安定で、汎用樹脂のような熱可塑性も示しません。そのため、薬品を用いて誘導体化し熱可塑性を付与する方法が用いられていました。
一方、セルロースと熱可塑性のポリエチレン等のポリオレフィンとを混合して加熱成形する方法では、親水性のセルロースと疎水性のポリオレフィンの性質が大きく異なるために、成形体の強度が低下します。しかし、セルロースの水酸基とエステル化反応する官能基をポリオレフィンに微量導入(0.1〜1wt%)し、粉砕のような単純な機械的圧力やせん断力を加えると、セルロースとポリオレフィンの間に効果的にエステル結合が形成されて複合し(図1)、高性能なポリマーアロイが得られます。
得られたポリマーアロイは、 熱可塑性を発現して、汎用樹脂と同様に押出成形や射出成形(図2)が可能で、その強度物性も原料のポリオレフィンよりも高い成形体が得られます。